《PLAY》の宇宙に深く潜る

『プレイ』, Alexander Ekman © Benoïte Fanton - OnP

コンテンポラリー・レパートリーにおける「現象」とされる『プレイ』は、最近の10年間の中でも、パリ・オペラ座バレエ団を象徴する作品としての地位を確立してきました。ビジュアル・シアター、コンテンポラリー・パフォーマンス、クラシックの伝統が交わったこのユニークなバレエは、2017年12月、アレクサンダー・エクマンがガルニエ宮で初めて披露。以来、上演回数は60回以上を数え、そのたびに観客から特に熱狂的に歓迎されています。2025年7月の東京公演は、作品の国際的な評価をさらに高め、コンテンポラリー作品でも大バレエ団の定番演目として根付くことが可能であることを、さらに証明することでしょう。

2017年にアレクサンダー・エクマンが振付した『プレイ』は、綿密に掘り上げられた繊細なテクニック、ニュアンス豊かな解釈、クラシックとコンテンポラリーの流れるような融合を通して、パリ・オペラ座バレエ団のダンサーの妙技を照らし出します。それは、カンパニーが誇る芸術表現の広がりを鮮烈に物語るものとなっています。エクマンは、クラシック・バレエの基盤に根ざしながらも、自由奔放な現代的振付でその語法に新たな息吹を吹き込んでいます。その結果、この作品は、野心的でありながら深い歓喜に満ちたものとなっているのです。一連のシーンとして展開される『プレイ』は、私たちが遊び、時間、社会との間にもっている関係を、詩的かつユーモラスに探求します。

第1部:再構築された子ども時代

『プレイ』, Alexander Ekman © Benoïte Fanton - OnP

第1幕では、観客を子供時代の明るさに包まれた光り輝くカラフルな世界に誘います。トランポリン、トラップ、緑色のボールのプールなど、びっくりするようなセットに身を投じたダンサーたちは、そこで即興的な探索を展開していきます。振付は一見さりげなく気軽に見えますが、実は厳密に練り上げられています。古典的な要素が、より流動的で現代的な動きと交錯しているのです。

様々な影響を彷彿させる音楽は舞台上で生演奏され、祝祭的で没入感のある雰囲気ともにつくりだしています。カレスタ・「カリー」・デイの温かみのある声が動く身体を包み込み、感覚的な演出をより一層際立たせて、まるでジェスチャーと生命の祝福するかのような舞台となっています。

第2部:成人期、風刺と詩の間で

第2幕では、より複雑な世界へと一転します。よりシリアスな調子となり、ラインはより厳格に、ジェスチャーはより断片的になっていきます。舞台環境は、機械的な習慣や日々の規則に支配された融通のきかない世界を想起させます。ダンサーたちは役割や型に閉じ込められているように見えるものの、そこにはユーモアが見え隠れしています。オープンスペースには羽毛が舞い降り、リハーサルが進むにつれて、シルエットが形作られ命が吹き込まれて、詩的な人物像が浮かび上がります。セットは、遊びが完全に消えることのない大人の世界を映し出すものとなっていくのです。

劇的な緊張がいっそう鮮明になる中でも、振付は優雅さと高度な技巧を失ってはいません。より強く押し出される古典的な動きの語法が、シーンの展開に伴って意味を変えるアクションと力強い対比を生み出しています。この最終パートは曖昧な形で展開し、さまざまな解釈への道を開いています。観客を排除することなく巻き込みながら、決して一つの解釈を押しつけることなく、観る者に考えるきっかけを与えているのです。

『プレイ』は、約2時間にわたって皆様に特別な体験を提供します。それは物語性のあるものではなく、遊び心と感受性に彩られ、予想外の展開と断片的な変化に導かれる旅なのです。このバレエは、コンテンポラリーダンスを初めて見る人々からその道の通(つう)ともいえる観客に至るまで、幅広い人々の心を魅了するようにつくられているのです。

『プレイ』, Alexander Ekman © Benoïte Fanton - OnP

特別な夕べ

2025年7月26日、クレディ・アグリコル・CIBは、東京で、プライベートなカクテル・パーティーを兼ねた特別な夕べを開催します。これは、数年前に初めて開催されたイベントの流れを受け継ぐもので、ライブ・エンターテイメントの魅力と、誰かと一緒に楽しむ喜びを再び感じてもらいたいという思いから生まれました。

この特別な夕べは、パリ国立オペラ座とのパートナーシップを通じて、当行の芸術に対する永続的なコミットメントを示すものです。2019年、クレディ・アグリコルCIBはオペラ座の国際的な魅力を広める専属支援者となり、文化の創造や芸術の国際交流を応援する姿勢を改めて示しました。このコラボレーションは、文化遺産の継承と卓越した現代表現を広めるという、より大きな目標の一環として行われています。優雅さと人とのつながりが交差するこの夜は、高い理想と開かれた精神を備えたパートナーシップのあり方を体現しています。そこでは、アートが、生き生きとした人間的で永続的な関係を育む媒介となるのです。

『プレイ』, Alexander Ekman © Benoïte Fanton - OnP

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